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Back & Forth in Home⑫

2018, 08, 13_ロンドン1日目 昨日の朝、シャーロットの家を後にし列車で5時間。ロンドンへ。 家を出る前、いつものようにお互い黙々と自分の作業をしながら「適度に運動しなきゃね」とヨガやスイミングの話をしていた。 シャーロットが海で泳ぐために買ったスイミングスーツを見せてくれると持って来たものに、 「AURORA」の文字。 「あー、ロンドンにいた時の私の家主の名前だ。」 シャーロットの家での時間が心地よかったので「ロンドンに行きたくないなー。」と言いながらも、また戻ってくるよ、と約束しお互いを強く抱きしめ、肌寒い小雨の中シャーロットに別れを告げる。 「Sunday morning, good weather!」と言って。 バスに乗り central station へ。汚く風変わりで愛すべき街グラスゴーにしばしのさよなら。

夕方5時 Kensal Rise, Londonに到着。かつて私が住んでいた場所。 3年ぶりだけれど、ここまでの電車の乗り継ぎも覚えており、スムーズに宿となる家に着く。 いや、スムーズではなかったか。。 Airbnb で予約したその家の住所であろう家のチャイムを押すも誰も出てこず、少し待つと近所の女の子がやってきて 「Airbnb?」と、「その番号じゃなくてあっちだよ」と違う番号の家を指し教えてくれた。 幸運にも彼女に会えたおかげでなんとか辿りつく。ホッ。 出迎えてくれたのは79歳のイラン人のおじいちゃん。会話が通じたり通じなかったり。 その後、部屋に通され荷をほどいてから、アウロラの家を見に行ってみる。 3年前、売りに出していた家は今どうなっているのか。新しい人が入っているのか?もしかして家ごとなくなっているのか?家のある通りに近づくにつれ鼓動が早くなるのを感じた。 ここらへんだったよな、と一軒一軒確かめながら歩いていると、前からやってきた車がウィンカーを点滅させ歩道に寄せた。中から若い子達が騒ぎながら出てきて、家に入っていく。 アウロラの家だった。 いや、もうアウロラの家じゃなかった。 玄関の門の上に乗っていた特徴的なブルーの傘のライトはなくなり、バラがきれいに咲いていた庭もない。壁と窓枠の色も塗り替えられている。 もうこれ以上ここにいたくない、という気持ちになりすぐ引き返した。 最後にアウロラに会った時「 I finalize London. I'm fed up with England, and you too.」というようなことを言っていた。「私はロンドンでの生活をもう終える。イギリスはもううんざり。お前もそうか」と。そして彼女は母国のスペインへ戻った。 私ももうロンドンへ戻ってくることはないだろう。 アウロラの家〈House〉はもう私の帰る家〈Home〉ではなくなった。 ロンドンに私の Home はないとわかった今、次の場所に向かっていかねば。 それが確認できた今、このジャーナルもここで終わり。 記_ナカノアツコ


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