Back & Forth in Home⑥
2018, 08, 07_パース2日目 昨日、誕生日だった。日本時間の6日になるとメッセージが届いた。 今では、日本時間の誕生日が終わっても「Happy Birthday!」と祝ってくれる人たちがいる。 遠く離れた場所からそうやって心を向けてくれる人がいてくれることが、留学当時、何よりも心強かった。 誕生日を自然の中で過ごしたかったので、どこを歩こうかとジャッキーと一緒に場所を検討する。 前の晩、眠すぎて場所を絞り込めずギブアップした私たち。 次の日まだ若干の時差ボケで朝5時頃には目が覚めてしまう私はジャキーが起きる前に良さそうな場所をネットで探していた。 起きてきたジャッキーが「Happy Birthday」とリビングに入ってきた。 私が、「ここがいい」と見せた場所は『Cateran Trail』というトレイルロードの一部で、道中景色の変化に富み、なだらかな丘を登っていくようなコース。 「天気がどうかわからないから、期待しているような景色が見られるかわからないけどいい?」とジャッキーに念押しされ、車で出発した。 スタート地点に着き、小さな商店でフルーツと水を購入。 前歯の抜けた、なんとも愛嬌のある女主人に歩くルートについて訪ねる。着いてみると全体で9マイル(約15㎞)ある道だとわかり、行って帰って来ると18マイル(30km)。長すぎる。とうことでどうしようか、と話していた。親切にも近所の方がルートのパンフレットを持って来てくれ、それを見ながら検討。様子みて歩けるところまで行って帰って来よう、と最初に行こうと決めていた道を選んだ。 歩きながら、政治の話、「もし5000万ポンドあったら何に使うか?」とか(途中クローバーの群生する森を通りふたりで四つ葉を探していた時に、見つけたら宝くじを買う、とジャキーが言った流れで。)ふたりで羊の鳴き真似をしたり。 予想に反して半袖でも汗をかくくらい暖かく晴れており、素晴らしい景色を見ることができた。いくつか農場を通り、羊、馬、鶏や野生の鹿にも出会えた。 私たち以外歩いている人もいなく、とても気持ちのいいトレイル。 途中見つけた小さな小屋にはノートが置いてあり、歩いてきた人がメッセージを残している。Since 1990 (1990年から)と記してあった。 もうここまでかな、とたどり着いた地点はちょうど丘と丘の間で、まわりには羊がいるだけ。 「今日は人間よりたくさんの羊に会ったね。」と。
来た道を戻る時、ワールドカップの話題に。 「ベルギーを応援していたんだけど、日本が負けた時はとても残念に思った。日本はとても強かったね。そもそもベルギーに勝って欲しかったのはイングランドを潰してほしかったから。ベルギーが一番強いチームと思ってたから。」イギリスのイングランド至上主義が許せない云々、熱く語っていた。 「政治的な話でごめん。」
行って戻って、で約13〜14マイル歩いた。5時間かけて。 「いい誕生日になった?」とジャッキー。「うん」と私。 帰り、トイレに行きたくなったのでと小さな町のスーパーに寄る。 郊外特有の巨大な店舗で、ジャッキーに「トイレはあっち」と促され、「ちょっと買い物するからレジの向こうで待ってて。」と言われた。 トイレから出ると、ちょうどレジに向かうジャッキーを見つけたので、近づいていくと、私を見て少し笑いレジに急ぐ。後ろをついて行くとあわててレジを済まそうとするジャッキー。 ショッピングバッグに入れられようとするケーキを見てしまった。 「早足でついていったらジャッキーも早足で逃げていくし。なんで?て思ったら、、ごめん!」 ふたりで爆笑する。 ケーキを食べる前に疲れて眠くなる。 「ケーキは明日にしようか。」とジャッキー。