Back & Forth in Home④
2018, 08, 05_グラスゴー4日目 夏の間、いろんなイベントで街が賑やかになるグラスゴー。 今年は「European Championships 2018」というスポーツの祭典が行われている。4年前の「Commonwealth Games 2014」(かつての大英帝国とその植民地で構成される4年に一度のスポーツの祭典)よろしく、なんとも言えない風貌のマスコットキャラクターが私たちを出迎えてくれる。 ルイーズとの打ち合わせ時、 「今おすすめのギャラリー、展示はなにかある?」と聞いたところ 「『tramway』でおもしろい展示をしているみたい」と言うので、足をのばしてみた。 『tramway』とは市内南側に位置する現代アートの展示、企画、プログラムを展開する大きなアートスペース。ビジュアルアート、パフォーミングアーツを主に扱っている。 その場所は19世紀にはtram(市街を走る路面電車)の車庫として使われており、20世紀初頭には、倉庫、工場としても利用されるようになる。 現在は国際的に様々な企画を展開していおり、グラスゴーでも主要なアートスペースのひとつになっている。
二階のプロジェクトエリアを覗くと、グラスゴーのUniversity of Strathclydeとの共同企画で「How to stay?」という展示。 偶然にも「HOME」の概念を問う内容のものと気づき、俄然興味がわく。ただ、この企画は今のヨーロッパの混乱している状況を受けて、もっと厳しく自国の「文化」「アイデンティティ」や「よりどこころ(つながりを強く感じるもの)」がどこにあるのか?を問い直す内容だった。来年3月に控えるBrexit (イギリスのEU離脱)が背景にあり、移民問題がその中心になっている。
そして、来週末に「1,210km」というパフォーマンスの公演があると知り、さっそく予約をした。「1,210km」はグラスゴー、ベルリンを拠点にする若いパフォーマンスグループによる協働制作企画。数ヶ月にわたって離れた地点で(デジタル上で)話しあい、実際に会うのは今年2月に一度行われた練習の時と今月の公演本番の2回のみという。文化、アイデンティティ、両者を隔てるもの、つなげるものは何かを問う作品のようだ。
同時開催されていた「Children's Exhibition」も楽しい内容。 5人のアーティスト・デザイナー・作曲家による展示。ワークショップの様子も映像で流れていた。すべての作品を使って子どもが自由に遊び、寝転び、作ることのできる空間。 休日に親子が過ごす場所としてこういったギャラリー/スペースがある事が、とても豊かだな、と改めて感じる。 [ tramway ]↓ https://www.tramway.org/Pages/home.aspx