WIP & RESULT_Laura

制作の記録と最終作品/WORK IN PROGRESS & RESULT
2018, 03, 15「ローラ・トンプソン/紹介ビデオ」
2018, 07, 02「作品コンセプト案」
2018, 07, 12「インスタレーションについて①」
2018, 08, 10「インスタレーションについて②」
2018, 08, 29「作品設置スタート」
2018, 09, 19「作品ステートメント」
訳:
こんにちは!私はローラ・トンプソンです。カリフォルニア出身のアーティスト/写真家で、今はスコットランドに住んでいます。
私は現実離れし、作り込んだ作品をつくるのが好きで "Senseless"というシリーズの作品でよく知られています。
"Senseless" で、私はテクノロジーの発達と自然からの乖離によって起こる私達の感覚の混乱についての現代の神話をつくりました。
作品中には、イエティ(雪男)のような生物が登場します。それぞれ、人間の5つの感覚のうちのひとつを表し、使い捨ての人工物によって制作しています。
彼らは自分達が二度と属することの出来ない世界を恋しく思いながら、神話の生物となって世界中をさまよっています。
​このプロジェクトに参加できることをうれしく思います。みなさんに会えることを心待ちにしています!
WIP_ [2018. 07. 02] 作品コンセプト案
 
少女達とのスカイプセッションを重ね、私たちの間にある「HOME」という言葉のもつ共通点と違いを見始めました。すると、異なるものというよりも「HOME」のもつ普遍的な感覚に意識が向かうようになりました。
ひとつ、違いの部分で面白かったのが、二人ともが何度も、私の中には全くない「たたみ」を「HOME」を思い起こさせるものとして挙げていた事。
私も「HOME」の感覚が多く潜んでいる子どもの頃を思い出せば、床に座る「being on the floor」ことがその大部分を占めています。(たぶん彼女たちが話していたこととは違うかもしれないけれど、ここにもMiscommunicationや誤解が起こっているかもしれない!)
特に私は毛布で基地をつくるのが好きでした。友達が来ると毛布や枕で作ったその基地の中の冒険をします。そこにはたくさんのおもちゃや想象力が詰め込まれていて。これに関連して、ひかるちゃん、蓮水ちゃん共に、「HOME」を「落ち着く relaxed」「心地よい comfortable」と何度も言っていた事。「ふとん bed」が落ち着く場所だと言っていた事が、私の「毛布の基地」のアイデアに繋がっていきました。このアイデアが普遍的なものと言えるのは、すべての人の最初の「HOME」である子宮に繋がるように思うからです。つし二階の写真を見た時、奥の部屋へ続く小さな入り口が目に止まりました。「毛布の基地」へ入るための穴のように見え、四つん這いになってそこへ入り、子宮のような落ち着く空間に座り、鑑賞者は自分としてただそこにいることができる。
文化やコミュニケーション能力に関わらず、誰もが自分自身の「HOME」そして心地よさを感じる場所を何か触れる事のできる形で作ろうと思います。
Translation: Atsuko Nakano
WIP_ [2018. 07. 12] インスタレーションについて①
 
〈ローラから:9月の気候について教えて欲しい、またひかるちゃん・蓮水ちゃんに「HOME」を感じさせる、また心地よさから連想する色は何か?聞いて欲しいとのリクエストがあり、その返答後の改定案※ルイーズ同様、こちらで計測した部屋のレイアウト図面を彼女にも送っている。〉
まだかなり暑いということ、ふたりともが「木の色・茶色」と答えたことから、より自然な色のリネンなどを使うのが良いかもしれない。との案。ラフィアのような自然素材を使って、畳や木を彷彿とさせたり。


Translation: Atsuko Nakano
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WIP_ [2018. 08. 10] インスタレーションについて②
 
グラスゴー市内のローラのスタジオにて打ち合わせ。

いくつも作ったインスタレーションの試作(制作の経緯)も見ながら現状、制作途中のものをチェックする。
主に、素材、最終作品に仕上げるまでの細かい調整、つし二階のスペースに対してどう設置できるかの確認などを共に行った。おおよその形を作るための計算式が書かれたメモやノートを見せてもらう。ノートにはびっしりとアイデアが書かれており、今の作品にたどり着くまでの道のりが見えた。
大体の作品設計は決定したが、最後は日本に来て展示場所に入ってからバランスをとっていくことになる。
細かい調整の部分では、彼女が少女時代に過ごしたアメリカの習慣、モノと日本のそれの違いを話しながら、素材や、見せ方として何をどのように使うことが適しているか話しあった。お互いの子ども時代、暮らしの中の共通点や違いを発見し、そういった会話が純粋に楽しい時間だった。

身体的に楽しめる作品になることを想像し、わくわくした。


 
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WIP_ [2018. 08. 29] 作品設置スタート
 
つし二階にてキュレーター中野と一日作業

8月23日、日本に入ってから少しずつ作品の調整を進め、いよいよ会場となる「奈良町にぎわいの家つし二階」に作品を運び込み設置作業をスタートした。
つし二階の建築様式を取り込んだインスタレーションとなるその作品。
制約の多い展示環境の中、当初考えていたやり方ではうまくいかない事態も起こったけれどもなんとか基本的な形を作り上げるところまで来た。
「女の子達(ひかるちゃんと蓮水ちゃん)がどう思うかな?」と終始、彼女たちの反応が気になる様子のローラ。
今日の作業が終わると、「作業中に発見したんだけど、この家のもつ様々な視覚的要素がとても気になったから、写真に撮りたい。何か抽象的なイメージで。」と、新たなプロジェクトにつながりそうな予感。

暑い一日、額に汗しながら軽快なBGMの元、作業は楽しく進んだ。
_ [2018. 09. 19]
作品ステートメント:

 
Title "A Sense of Home"

奈良市在住の二人の女の子と「HOME」についてスカイプで会話した中で、二人ともが床に座ること(特に「畳」)について多く語っていたことが、自分との大きな違いに感じた。そこで私は、床に座るような事で、心地よく落ち着く感覚を得られる自分の似たような体験を探ってみた。それは「Blanket Forts」(毛布の基地)を子供の頃に作っていたことと重なる。何時間も、毛布にくるまれた、子宮に似たような基地の中で座り込み、遊んでいた。こういうことをするのは、そのような場所に入る感覚が普遍的なものだからかもしれない。 はじめてつし二階の場所を見たとき、私は小さなにじり口に魅了された。それというのも、わたしが幼い頃作っていた毛布の基地の入り口を思い出させるものだったから。その小さな入り口をくぐり抜ければそこには全く新しい世界が広がっているような感覚が得られる。日本の伝統的な様式の空間と呼応しながら自然なモスリンにラフィアを編み込んだ生地と畳を融合させ、その感覚をまた再び作りたいと思った。
どうぞ中に入って、ゆっくりとくつろいでください。 

From Skype conversations with two local girls about home, one striking difference was how much more significant flooring (especially tatami mats) was to them. I decided to look at our similar experiences of home, mainly the feelings of comfort and relaxation, through flooring. The main experience I'd had was as a child making blanket forts. I'd spend hours on the floor in them playing, with the walls of blankets wrapped around you womb-like. Perhaps that's why it's such a universal feeling going into this place. When I first saw the space, I was struck by the tiny doorway as it reminded me of the entrances to the blanket forts I'd make, and crawling through and feeling as if you've entered a whole new world. I’ve tried to recreate these feelings and experiences while incorporating the traditional architecture around it by using a natural sheer muslin cloth and blending it in with the tatami mats by weaving in raffia straw. Please go in, sit or lay down and feel at home.